文字サイズ[ページ設定]
コンテンツの閲覧や操作に支障が生じることなく、テキストの文字サイズを標準の200%まで拡大できるか。
解説
ユーザーがブラウザの画面表示を標準の200%に拡大しても、閲覧や操作に支障が生じないように、コンテンツを設計・実装します。
軽度の視覚障害があるユーザーや視力が弱いユーザー、老眼などで見えづらいユーザーは、ブラウザの画面表示を任意のサイズに変更することがあります。
例えば、PCであれば、ほとんどのブラウザにはズーム機能があります。ユーザーが必要に応じて、画面表示を110%、125%、150%、200%と拡大しても、Webページの閲覧や操作に支障が生じないようにしましょう。そのとき、もし可能ならば、横スクロールが発生しないようにするとさらによいでしょう。
スマートフォンやタブレットなどのタッチスクリーンでは、ピンチアウト(画面上に親指と人差し指を乗せて、二本の指で押し広げるような動作をすること)によって画面表示を拡大できるかどうかを確認してください。ピンチアウトしても拡大できないように、表示サイズを固定するのは避けなければなりません。
なお、「WCAG 2.0(2.1)」や「JIS X 8341-3:2016」の達成基準を満たす上では、いわゆる文字サイズ変更ボタンを提供することは必須ではありません。また、文字サイズ変更ボタンを提供することによって、達成基準を満たせるわけではありません。達成基準が求めているのは、コンテンツを200%まで拡大しても閲覧や操作に支障が生じないようにすることです。
事例 1. 文字サイズ変更ボタン
悪い例 1.
Webページのヘッダーで文字サイズ変更ボタンを提供しているが、画面表示を200%まで拡大していくと、コンテンツの閲覧や操作に支障が生じる。
- 表示を拡大していくと、文字が重なり合ったり、コンテンツの一部が隠れてしまったりする。
- そもそも、200%まで拡大できない。
良い例 1.
文字サイズ変更ボタンで段階的に(例えば、20~25%刻みで)200%まで表示を拡大できるようになっており、かつコンテンツの閲覧や操作に支障が生じることはない。
注意: 文字サイズ変更ボタンを提供することは、達成基準を満たす上では必須ではない。
事例 2. スマホやタブレットでの表示
悪い例 2.
ピンチアウトしても、画面表示が固定されていて、ユーザーが任意の表示サイズに変更することができない。
良い例 2.
ピンチアウトすれば、ユーザーは必要に応じて画面表示を任意のサイズに変更することができる。
『JIS X 8341-3:2016 / WCAG 2.0』の達成基準
1.4.4 テキストのサイズ変更の達成基準(レベル AA)
JIS X 8341-3:2016 / WCAG 2.0「1.4 判別可能のガイドライン」
キャプション及び文字画像を除き、テキストは、コンテンツ又は機能を損なうことなく、支援技術なしで200%までサイズ変更できる。