WCAG 2.0
『WCAG 2.0』は、Webコンテンツを対象にしたアクセシビリティ・ガイドラインで、2008年12月11日にW3C勧告になった。”WCAG”は、”Web Content Accessibility Guidelines” の略。
W3C勧告となった『WCAG 2.0』は、2012年10月に国際規格『ISO/IEC 40500:2012』として承認された。日本でも、2016年3月に公示された『JIS X 8341-3:2016』が『ISO/IEC 40500:2012』に対する一致規格になっており、両者の要求事項は同じになっている。その結果として、『JIS X 8341-3:2016』の要求事項は『WCAG 2.0』の要求事項と同じになったため、言いかえれば『WCAG 2.0』がそのままJIS規格になったともいえる。また、法律によってWebアクセシビリティの確保を義務化している国々では、『WCAG 2.0』を技術基準として採用している。
W3Cでは、Webアクセシビリティを実現するために必要不可欠な要素として、Webコンテンツのほかに、オーサリングツールとユーザーエージェントの2つも挙げている。オーサリングツールには『ATAG(Authoring Tool Accessibility Guidelines) 2.0』、ユーザーエージェントには『UAAG(User Agent Accessibility Guidelines) 2.0』があり、各要素に対するガイドラインを策定している。
また、WCAGワーキンググループでは、W3C勧告になってから8年以上が経過した『WCAG 2.0』のマイナーアップデート版として、『WCAG 2.1』の作成を計画中。ロービジョン、認知および学習障害、モバイルをテーマにした3つのタスクフォースを中心に、追加すべき達成基準の検討が進められている。